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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻2号

2019年02月発行

文献概要

症例報告

Cutaneous cribriform carcinomaの1例

著者: 光井康博12 福本隆也13 後藤啓介4 西川武志5 阿南隆1

所属機関: 1札幌皮膚病理診断科 2奈良県立医科大学皮膚科学教室 3福本皮フ病理診断科 4カロリンスカ大学病院病理科皮膚病理部門 5しずない皮フ科クリニック

ページ範囲:P.173 - P.177

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要約 76歳,女性.約3か月前より右前腕に表面が淡褐色調の結節を自覚し,受診した.局所麻酔下に右前腕の結節を単純切除した.病理組織学的には,真皮に長径約5mmの比較的境界明瞭な結節状病変を認めた.表皮・付属器との連続性や被膜はなかった.結節状病変は,糸様の薄い細胞索が内部をつなぐ篩状構造を有する胞巣や充実性胞巣から構成されていた.腫瘍辺縁の一部は,境界不明瞭で,1個〜数個の細胞からなる小型の腫瘍胞巣が膠原線維間に散在していた.腫瘍細胞の核は濃染し,大小不同を認めた.cytokeratin(CK)7はびまん性に陽性.epithelial membrane antigen(EMA)は一部の腫瘍細胞に加え,管状構造にも陽性であった.c-kitは多数の腫瘍細胞に陽性.Ki-67陽性率は5%以下であった.Cutaneous cribriform carcinomaは稀な腫瘍ではあるが,これまで邦文での記載がなく,見過ごされている可能性がある.

参考文献

1) Requena L, et al(eds):Neoplasms with Apocrine Differentiation, Lippincott-Raven, Philadelphia, p879, 1998
2) Adamski H, et al:J Cutan Pathol 32:577, 2005
3) Fernandez-Flores A, et al:Med Mol Morphol 40:212, 2007
4) Rütten A, et al:J Am Acad Dermatol 61:644, 2009
5) Arps DP, et al:J Cutan Pathol 42:379, 2015
6) Yokota K, et al:Eur J Dermatol 27:419, 2017
7) 安齋眞一,後藤啓介(編):皮膚付属器腫瘍アトラス,医学書院,p71, 2018
8) Kazakov DV, et al:Cutaneous Adnexal Tumors, Wolters Kluwer/Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, p71, 2012
9) Llamas-Velasco M, et al:J Cutan Pathol 45:348, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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