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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻2号

2019年02月発行

文献概要

症例報告

顆粒球除去療法が奏効した潰瘍性大腸炎合併壊疽性膿皮症の1例

著者: 小橋陽加1 金久史尚1 浅井純1 沢田広子2 田浦麻衣子3 竹中秀也3 加藤則人1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学 2近江八幡市立総合医療センター皮膚科 3京都市立病院皮膚科

ページ範囲:P.179 - P.184

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要約 60歳,女性.初診の2週間前より,下痢・血便がみられ,その後左足外果部が発赤,腫脹した.近医で切開処置,抗生剤内服治療を行われたが改善なく,急速に潰瘍化してきたため当科を受診した.初診時,炎症反応の著明な亢進,低アルブミン血症,貧血がみられた.皮膚生検では,真皮全体に血管炎を伴わないびまん性の好中球浸潤の所見を認めた.また,腹部造影CT検査,下部消化管内視鏡検査からは重症の潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)の所見が得られ,UCに合併した壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)と診断した.UCの治療として,メサラジン3,600mg/日の内服,および顆粒球除去療法(granulocytapheresis:GCAP)を計11回施行したところUCとPGの症状がともに軽快した.合併症のないPGに対してGCAPが有効であった症例の報告もあり,自験例を通じて,PGの治療としてもその効果が期待されると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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