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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻3号

2019年03月発行

文献概要

症例報告

エポキシ樹脂による職業性全身型接触皮膚炎の1例

著者: 福田浩孝1 伏間江貴之1 前川武雄1 小宮根真弓1 村田哲1 大槻マミ太郎1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.203 - P.208

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要約 41歳,男性.ソーラーパネル製作業務に従事し,ニトリルゴム手袋を使用していた.初診の3か月前から両手に紅斑が出現し,2か月前から全身に拡大した.初診時,顔面,体幹,四肢に紅斑と褐色色素斑が混在し,両手は背側優位に紅斑,鱗屑,苔癬化を認めた.ゴム手袋による接触皮膚炎症候群を疑い,ジャパニーズスタンダードアレルゲン(JSA)2008のゴム関連抗原のパッチテストを行ったがすべて陰性であった.プレドニゾロン5mg/dayを4週間内服し,職場の配置変更にて皮疹は軽快,以後再発を認めなかった.その後,ビスフェノールA/F型液状エポキシ樹脂の蒸気が出ていた職場環境が判明し,パッチテストを施行したところ,患者持参のエポキシ樹脂サンプル0.1% petとJSAのepoxy resin 1% petに陽性を示し,エポキシ樹脂による職業性全身型接触皮膚炎と診断した.職業性接触皮膚炎の診断においてさまざまな可能性を考えた詳細な問診の重要性を再認識した.

参考文献

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2) 鈴木加余子,他:J Environ Dermatol Cutan Allergol 6:67, 2012
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7) 安部正通,他:J Environ Dermatol Cutan Allergol 3:105, 2009
8) 安部正通,他:Derma 154:6, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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