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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

症例報告

非定型肺炎により増悪した寒冷蕁麻疹の1例

著者: 濱田薫1 澤田雄宇1 櫻木友美子1 北村真悠1 岡田悦子1 中村元信1

所属機関: 1産業医科大学皮膚科

ページ範囲:P.297 - P.300

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要約 23歳,女性,冷たい物が接した部位に一致し膨疹が出現するようになった.同居者がマイコプラズマ肺炎に罹患した後より咳嗽,発熱とともに膨疹が拡大してきたため,精査目的に当科に入院した.Ice cube test陽性であり,寒冷蕁麻疹と診断した.また入院中に撮影した胸部CT検査所見から非定型肺炎と診断された.抗ヒスタミン薬,抗菌薬による治療で自覚症状は軽快した.寒冷蕁麻疹の発症機序はいまだ不明であるが,非定型肺炎が増悪因子の1つとして考えられるため,精査を行う際には,頻度の高いマイコプラズマ感染を念頭に置く必要があると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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