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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

症例報告

趾縁部に生じ悪性黒色腫との鑑別を要するダーモスコピー所見を呈したSpitz母斑の1例

著者: 宋美里1 小林祐香莉1 星野雄一郎1 貞安杏奈1 渡邉荘子1 石崎純子1 田中勝1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科

ページ範囲:P.314 - P.318

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要約 30歳,女性.15年前より左第1趾側縁部に褐色斑があった.初診時,9.6×9.9mm大の表面に鱗屑を付し,中央部が軽度隆起する褐色局面がみられた.ダーモスコピーで趾腹側辺縁部では二本点線亜型の皮溝平行パターンがあり,趾背側では境界明瞭な色素小球,中央では無色素領域があり,赤色小湖や糸球体状血管がみられ,全体的には多構築パターンを呈していた.3mmマージンで全摘手術を施行した.病理組織学的所見では,表皮真皮境界部から真皮乳頭層にかけて左右対称な縦長で境界明瞭な胞巣が規則正しく配列し,経表皮排出を伴う.真皮内胞巣を構成する細胞は好酸性の細胞質に富み,深部にいくほど小型化し,maturationがみられた.以上からSpitz母斑と診断した.足趾のSpitz母斑は稀であり,趾腹と趾背にまたがるため,多構築パターンを呈し悪性黒色腫との慎重な鑑別を要した.

参考文献

1) 玉置邦彦,他(編):最新皮膚科学大系,11巻,中山書店,p40, 2002
2) 秦 直子,他:臨皮 57:300, 2003
3) 池田重雄,他(編):カラーアトラスdermoscopy,金原出版,p58, 2003
4) 斎田俊明:ダーモスコピーのすべて—皮膚科の新しい診断法,南江堂,p81, 2012
5) Ise M, et al:Dermatol Pract Concept 3:37, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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