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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

症例報告

再発乳癌と鑑別を要した顆粒細胞腫の1例

著者: 伊藤有亜1 下田由莉江1 早川順1 下山田博明2 柴原純二2 大山学1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部病院病理部

ページ範囲:P.319 - P.323

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要約 60歳,女性.左乳癌切除術後.初診3か月前より左乳房下縁に瘙痒を伴う皮疹が出現し,当科へ紹介された.初診時,左乳房下縁に16×11mm大の発赤と圧痛を伴う皮下硬結を認めた.画像所見では診断確定できず,炎症性乳癌型の再発乳癌を疑い皮膚生検を施行した.病理組織学的に,顆粒細胞腫と診断し,単純切除術を施行した.顆粒細胞腫はSchwann細胞に由来する良性腫瘍と定義され,乳房での発生頻度は4〜6%と報告されている.本邦では乳癌と鑑別を要した症例の報告は比較的多くあり顆粒細胞腫は鑑別疾患として常に考慮するべきと思われるが,自験例では乳癌原発巣近傍に生じた皮下硬結であったことから再発性乳癌以外の腫瘍の可能性は低いと考えていた.改めて常に鑑別診断を挙げることの重要性を実感した.また,顆粒細胞腫には悪性転化や再発例もあるため,自験例では乳癌再発のリスクと合わせ長期間にわたって経過観察が必要であると思われる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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