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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

症例報告

潰瘍を呈した無色素性基底細胞癌の1例

著者: 内海友理1 上田喬士1 白井京美1

所属機関: 1横浜医療センター皮膚科

ページ範囲:P.331 - P.335

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要約 87歳,男性.受診2か月前に右頰に潰瘍が出現し,外用剤で加療するも改善しないため当科を受診した.初診時,右頰に直径9mm大,打ち抜き様の潰瘍を認めた.ダーモスコピー所見では色素性病変はみられず,ulceration, arborizing telangiectasias, short fine superficial telangiectasiasがみられた.皮膚生検を行い,無色素性基底細胞癌と診断した.自験例は無色素性基底細胞癌のダーモスコピー所見で高率にみられるarborizing vesselsを欠いており,打ち抜き様の潰瘍を呈した点において非典型的で臨床診断が困難な症例であった.結節を認めない潰瘍病変を呈する皮膚悪性腫瘍は,有棘細胞癌だけではなく基底細胞癌も鑑別となる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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