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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

症例報告

Vibrio furnissiiによる壊死性筋膜炎の1例

著者: 佐々木良子1 持田耕介1 田尻明彦2 天野正宏1

所属機関: 1宮崎大学医学部感覚運動医学皮膚科学講座 2宮崎市たじり皮膚科医院

ページ範囲:P.343 - P.348

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要約 81歳,女性.2年前に胃癌に対し胃全摘術と術後化学療法を施行された.好中球減少により化学療法は中止されたが,好中球減少はその後も持続した.初診前日に腹痛と左下腿の痒みを自覚し,翌日高熱,左下腿の発赤・疼痛・腫脹を認めた.近医で蜂窩織炎と診断され,当科を紹介された.血液検査でWBC 2,400/μl,Plt 11.2×104/μl,CRP 14.3mg/dl,CK 106U/l,PCT 4.9ng/ml,FDP 34.7μg/dl,D-dimer 19.6μg/ml,PT-INR 1.28でdisseminated intravascular coagulation(DIC)と診断した.入院時の血液培養と創部培養からVibrio furnissiiが検出された.抗菌薬による点滴加療を行ったが,第8病日に左下腿前面に皮膚壊死が生じた.試験切開を施行し,多量の排膿を認め,第9病日に筋膜までデブリードマンを施行した.病理組織学的には筋膜に高度な好中球浸潤を認め,V. furnissiiによる壊死性筋膜炎と診断した.術後は壊死の進行はなく全身状態も改善した.V. furnissiiによる壊死性筋膜炎は極めて稀であるが,胃切後の免疫機能低下患者において発症する可能性があるため注意が必要である.

参考文献

1) Brenner DJ, et al:J Clin Microbiol 18:816, 1983
2) Lam SY, et al:J Singapore Med 26:300, 1985
3) Hashimoto T, et al:J Infect Chemother 24:65, 2018
4) Derber C, et al:J Clin Microbiol 49:2348, 2011
5) Wong CH, et al:Crit Care Med 32:1535, 2004
6) 高橋一夫,他:臨皮 72:83, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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