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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

症例報告

多発性結節を呈した皮膚腺病の1例

著者: 飯島孝四郎1 佐藤洋平1 佐野彰彦2 大山学1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2杏林大学医学部感染症教室

ページ範囲:P.349 - P.353

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要約 77歳,女性.左耳後部から後頸部にかけての皮疹を主訴に当科を初診した.受診時,痂皮を付し中央部より排膿を認める紅色結節が多発していた.結節部の生検標本の病理組織像では,中心部に乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を認めた.クオンティフェロン(QFT)と病変部組織の抗酸菌培養はともに陰性であったが,病変部由来DNAのPCR法による解析でMycobacterium tuberculosisのDNAを検出した.画像上,頸部リンパ節の腫脹があり,皮膚腺病と診断した.イソニアジド,リファンピシン,エタンブトール,ピラジナミドの4剤併用療法を開始し結節は平坦化した.過去に報告された多発病変をもつ皮膚腺病症例の多くは高齢者であった.自験例では汎血球減少,CD4,CD8陽性T細胞数の減少があったことを合わせて考えると高齢者では相対的免疫低下状態にあり,通常は単発例が多い皮膚腺病が多発病変を呈する可能性を考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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