icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻4号

2019年04月発行

文献概要

症例報告

特異な皮疹を示した第2期梅毒の1例

著者: 川本友子1 田上尚子1 園田早苗1

所属機関: 1大手前病院皮膚科

ページ範囲:P.355 - P.359

文献購入ページに移動
要約 20歳,女性.初診の3か月前より皮疹が出現した.初診時,顔面・体幹・上肢に紅色充実性丘疹が環状に配列しながら融合し,同心円状や一部連圏状を呈しており,陰部には湿潤傾向のある扁平隆起性丘疹を認めた.採血にて梅毒血清反応はTP抗体471 C.O.I,カード法32倍と陽性だった.病理組織所見においては,真皮浅層血管内皮細胞の肥厚および血管周囲に小型リンパ球と形質細胞を中心とした稠密な細胞浸潤を認めた.以上より環状丘疹型梅毒疹および扁平コンジローマを呈する第2期梅毒としてアモキシシリン水和物1,500mg/日を開始したところ,1週間で皮疹はほぼ平坦化し褐色調となった.非典型的な環状皮疹をみた際,梅毒にも留意した問診,検査が必要と考える.

参考文献

1) 立花隆夫:日皮会誌 121:1389, 2011
2) 飯島茂子,他:皮膚臨床 59:111, 2017
3) 清水 宏:あたらしい皮膚科学,2版,中山書店,p493, 2011
4) 大塚藤男:皮膚科学,9版,金芳堂,p903, 2011
5) 楠 俊雄:皮膚科MOOK 4:74, 1986
6) 林  健,他:埼玉医会誌 22:1235, 1988
7) 本間 眞:皮膚 32:711, 1990
8) 石川武子,他:皮膚臨床 44:116, 2002
9) 加藤陽子,他:日皮会誌 113:324, 2003
10) 小坂素子,他:臨皮 60:1265, 2006
11) 高木奈緒,他:臨皮 67:817, 2013
12) 澤田千里,他:皮膚臨床 59:385, 2017
13) 井形華絵,他;日皮会誌 127:2497, 2017
14) 岡本昭二:現代皮膚科学大系,6巻B, 中山書店,p237, 1984
15) 尾上泰彦:Visual Dermatol 15:908, 2016
16) 柳澤如樹:Visual Dermatol 15:936, 2016
17) 清田 浩,他:日性感染症会誌 27:46, 2016
18) CDC, Sexually transmitted diseases treatment guidelines:MMWR Recomm Rep 64:34, 2015
19) 尾上智彦:Visual Dermatol 15:891, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?