文献詳細
文献概要
増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019 1.最近話題の皮膚疾患
アトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤による治療
著者: 井川健1
所属機関: 1獨協医科大学医学部皮膚科学講座
ページ範囲:P.32 - P.36
文献購入ページに移動summary
近年,いろいろな疾患の病態形成メカニズムが,これまでに比べて,より詳細に解明されてきており,それはアトピー性皮膚炎においてもそうである.治療薬物の開発も,解明されてきたメカニズムを基盤として,より疾患特異的な経路を念頭においたものとなっており,今後もその傾向は進んでいくのであろう.アトピー性皮膚炎の薬物治療は,長年,ステロイド外用薬を中心とする外用療法が主体となってきた.このこと自体はこれからもそのままであろうと思われるが,本邦においても,アトピー性皮膚炎治療薬における初の生物学的製剤である,デュピルマブが登場することとなった.おそらく,デュピルマブを皮切りとして,これから複数の新規治療薬が登場してくるだろうと思われる.本稿においては,そのデュピルマブに焦点を当てて,Th2型免疫反応亢進を是正することによるアトピー性皮膚炎の治療について述べることとする.
近年,いろいろな疾患の病態形成メカニズムが,これまでに比べて,より詳細に解明されてきており,それはアトピー性皮膚炎においてもそうである.治療薬物の開発も,解明されてきたメカニズムを基盤として,より疾患特異的な経路を念頭においたものとなっており,今後もその傾向は進んでいくのであろう.アトピー性皮膚炎の薬物治療は,長年,ステロイド外用薬を中心とする外用療法が主体となってきた.このこと自体はこれからもそのままであろうと思われるが,本邦においても,アトピー性皮膚炎治療薬における初の生物学的製剤である,デュピルマブが登場することとなった.おそらく,デュピルマブを皮切りとして,これから複数の新規治療薬が登場してくるだろうと思われる.本稿においては,そのデュピルマブに焦点を当てて,Th2型免疫反応亢進を是正することによるアトピー性皮膚炎の治療について述べることとする.
参考文献
1) Palmer CN, et al:Nat Genet 38:441, 2006
2) Tokura Y:J Dermatol Sci 58:1, 2010
3) Howell MD, et al:J Allergy Clin Immunol 120:150, 2007
4) Yokozeki H, et al:J Exp Med 191:995, 2000
5) Yokozeki H, et al:Gene Ther 11:1753, 2004
6) Sumi K, et al:Gene Ther 11:1763, 2004
7) Igawa K, et al:Allergy 61:1385, 2006
8) Miyazaki Y, et al:Am J Pathol 169:697, 2006
9) Igawa K, et al:Br J Dermatol 160:1124, 2009
10) Beck LA, et al:N Engl J Med 371:130, 2014
11) Thaçi D, et al:Lancet 387:40, 2016
掲載誌情報