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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019 3.新しい検査法と診断法
イムノクロマト法による水痘・帯状疱疹ウイルス感染症の診断
著者: 渡辺大輔1
所属機関: 1愛知医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.82 - P.86
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水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)感染症,特に帯状疱疹は皮膚科の日常臨床でよく遭遇する疾患である.典型的な水痘,帯状疱疹では皮疹の状態や病歴から臨床診断が可能であるが,時に他の皮膚疾患との鑑別が困難な場合もある.またステロイドなど免疫抑制剤投与患者や,先天性・後天性免疫不全患者のVZV感染症では早期の正確な診断が重要である.これまで,帯状疱疹を迅速に確定診断できる検査がなかったが,新しいイムノクロマト法によるVZV抗原診断キットであるデルマクイック® VZVが登場した.臨床試験の結果では,本キットの陽性一致率,陰性一致率,全体一致率はいずれも95%前後であり,感度,特異度とも高く,またHSV-1,-2,および4種の表在性細菌との交差反応性は認められなかった.このことから皮膚に水疱,びらん性の病変を形成する感染症,特にHSV感染症との鑑別に効力を発揮するものと思われる.
水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)感染症,特に帯状疱疹は皮膚科の日常臨床でよく遭遇する疾患である.典型的な水痘,帯状疱疹では皮疹の状態や病歴から臨床診断が可能であるが,時に他の皮膚疾患との鑑別が困難な場合もある.またステロイドなど免疫抑制剤投与患者や,先天性・後天性免疫不全患者のVZV感染症では早期の正確な診断が重要である.これまで,帯状疱疹を迅速に確定診断できる検査がなかったが,新しいイムノクロマト法によるVZV抗原診断キットであるデルマクイック® VZVが登場した.臨床試験の結果では,本キットの陽性一致率,陰性一致率,全体一致率はいずれも95%前後であり,感度,特異度とも高く,またHSV-1,-2,および4種の表在性細菌との交差反応性は認められなかった.このことから皮膚に水疱,びらん性の病変を形成する感染症,特にHSV感染症との鑑別に効力を発揮するものと思われる.
参考文献
1) 渡辺大輔:臨皮(増刊) 65:114, 2011
2) 鈴木道雄,木村 宏:小児科 55:1377, 2014
3) Dworkin RH, et al:Clinic J Pain 16:S90, 2000
4) Johnson RW:Herpes 10:38, 2003
5) Kost RG, Straus SE:N Engl J Med 335:32, 1996
6) 渡辺大輔,他:新薬と臨床 67:23, 2018
7) Kimura H, et al:J Clin Microbiol 38:2447, 2000
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