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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019 3.新しい検査法と診断法
脱毛症における皮膚生検と病理診断法
著者: 内山真樹1
所属機関: 1東京医科大学病院皮膚科学教室
ページ範囲:P.87 - P.91
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脱毛症にはさまざまな疾患が存在するが,臨床所見のみでは診断が困難な脱毛症では,脱毛病変部の皮膚生検による病理組織学的診断が必要となる.脱毛症は,毛周期異常によるもの,炎症細胞の浸潤により毛組織が破壊されるもの,先天的または外的な原因により毛組織の形態異常を示すものに大別される.頭皮生検によって,細胞浸潤の主な部位と程度,免疫グロブリンおよび補体の沈着の確認,毛組織の形態,毛周期の状態を把握でき,病態の把握と診断が可能となる.これらを的確に評価するには,垂直断標本に加えて4mmパンチを用いた水平断標本を作製することが有用である.脱毛症における適切な検体の採取方法も含め,頭皮生検の実践法について解説する.また,脱毛症の病理組織所見の効率的な読み方について代表的な疾患を中心にポイントを述べる.
脱毛症にはさまざまな疾患が存在するが,臨床所見のみでは診断が困難な脱毛症では,脱毛病変部の皮膚生検による病理組織学的診断が必要となる.脱毛症は,毛周期異常によるもの,炎症細胞の浸潤により毛組織が破壊されるもの,先天的または外的な原因により毛組織の形態異常を示すものに大別される.頭皮生検によって,細胞浸潤の主な部位と程度,免疫グロブリンおよび補体の沈着の確認,毛組織の形態,毛周期の状態を把握でき,病態の把握と診断が可能となる.これらを的確に評価するには,垂直断標本に加えて4mmパンチを用いた水平断標本を作製することが有用である.脱毛症における適切な検体の採取方法も含め,頭皮生検の実践法について解説する.また,脱毛症の病理組織所見の効率的な読み方について代表的な疾患を中心にポイントを述べる.
参考文献
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2) Sperling LC, et al:An Atlas of Hair Pathology with Clinical Correlations, 2nd ed, Informa Healthcare, New York, p3, 2012
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