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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019 4.皮膚疾患治療のポイント
改訂ガイドラインを踏まえた円形脱毛症の治療
著者: 下村裕1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
ページ範囲:P.109 - P.112
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円形脱毛症は自己免疫疾患の1つであり,難治例では,脱毛の後に長期間にわたり全く発毛を認めなかったり,発毛と脱毛を繰り返して慢性の経過をとる.2017年に本疾患の診療ガイドラインが改訂されたが,治療の主役は変わらずステロイドと局所免疫療法である.ステロイドは,患者の病期や脱毛面積に応じて外用療法,局所注射療法と全身投与を適切に選択することが重要である.これらの治療に加え,抗ヒスタミン薬の内服や紫外線療法なども適宜併用する.あらゆる治療に抵抗性の最重症例では,かつらの使用や無治療での経過観察も考慮する必要がある.なお,まだ時期尚早ではあるが,将来的にはJAK阻害薬などの新規の治療法の導入が強く期待されている.
円形脱毛症は自己免疫疾患の1つであり,難治例では,脱毛の後に長期間にわたり全く発毛を認めなかったり,発毛と脱毛を繰り返して慢性の経過をとる.2017年に本疾患の診療ガイドラインが改訂されたが,治療の主役は変わらずステロイドと局所免疫療法である.ステロイドは,患者の病期や脱毛面積に応じて外用療法,局所注射療法と全身投与を適切に選択することが重要である.これらの治療に加え,抗ヒスタミン薬の内服や紫外線療法なども適宜併用する.あらゆる治療に抵抗性の最重症例では,かつらの使用や無治療での経過観察も考慮する必要がある.なお,まだ時期尚早ではあるが,将来的にはJAK阻害薬などの新規の治療法の導入が強く期待されている.
参考文献
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