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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019 4.皮膚疾患治療のポイント
悪性黒色腫の新規術後補助療法
著者: 横田憲二1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚病態学
ページ範囲:P.140 - P.144
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悪性黒色腫の根治切除術を実施した後,再発抑制のための治療を希望する場合は術後補助療法が以前よりダカルバジン,インターフェロンβを中心に行われてきた.しかし,エビデンスに乏しく,明らかな効果を見ることができなかった.術後補助療法としての免疫チェックポイント阻害薬,分子標的薬の適応が拡大され,Stage ⅢまたはⅣの術後補助療法として,イピリムマブを経過観察のみと比較,またはニボルマブと比較した臨床試験や,ダブラフェニブ+トラメチニブの分子標的治療を経過観察のみと比較したデータが報告された.イピリムマブの術後補助療法により,術後5年間の再発リスクや死亡リスクは無治療経過観察より3割弱低下し,ニボルマブの術後補助療法は術後5年間の再発がイピリムマブより3割以上低下,また,ダブラフェニブ+トラメチニブによる術後補助療法では,無治療経過観察と比べ再発,死亡リスクがいずれも5割前後低下している.
悪性黒色腫の根治切除術を実施した後,再発抑制のための治療を希望する場合は術後補助療法が以前よりダカルバジン,インターフェロンβを中心に行われてきた.しかし,エビデンスに乏しく,明らかな効果を見ることができなかった.術後補助療法としての免疫チェックポイント阻害薬,分子標的薬の適応が拡大され,Stage ⅢまたはⅣの術後補助療法として,イピリムマブを経過観察のみと比較,またはニボルマブと比較した臨床試験や,ダブラフェニブ+トラメチニブの分子標的治療を経過観察のみと比較したデータが報告された.イピリムマブの術後補助療法により,術後5年間の再発リスクや死亡リスクは無治療経過観察より3割弱低下し,ニボルマブの術後補助療法は術後5年間の再発がイピリムマブより3割以上低下,また,ダブラフェニブ+トラメチニブによる術後補助療法では,無治療経過観察と比べ再発,死亡リスクがいずれも5割前後低下している.
参考文献
1) Weber Je, et al:N Engl J Med 377:1824, 2017
2) Eggermont AM, et al:N Engl J Med 375:1845, 2016
3) Eggermont AMM, et al:N Engl J Med 378:1789, 2018
4) 「タフィンラー」医薬品インタビューフォーム,2018年6月改訂(第5版)
5) 「メキニスト」医薬品インタビューフォーム,2018年6月改訂(第5版)
6) Long GV, et al:N Engl J Med 377:1813 2017
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