文献詳細
文献概要
Derm.2019
患者側の立場で
著者: 水谷陽子1
所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学
ページ範囲:P.144 - P.144
文献購入ページに移動 大学では乾癬外来,再診などを担当しているが,再診は患者数も多く,常に時間との戦いといった忙しさである.本来は予約制であるが,制限を超えて予約が入っていることも度々ある.さらに当日に予約なく受診する患者さんもいるため,予約制とは言いながら時に(しょっちゅう?)1時間以上待たせてしまうこともある.そんななか,多くの患者さんはクレームを言うこともなく,じっと待っていて下さる.医師側からすると,1人の患者さんはその日の多くの患者さんの中の1人であり,1人あたりにかかる診察時間を少なくして待ち時間を増やさないようにするため,少々雑な診察になるときがある.しかし,患者側からすると,受診はその日の大きなイベントである.常に患者側の立場,気持ちを考えて,患者の待ち時間が長くなっているときこそ,より丁寧に診察するよう心掛けている.
他の病院では褥瘡ラウンドを行っているが,寝たきりで意思疎通のできない患者さんも多い.患部だけの診察になりがちであるが,このときもこの患者さんが自分の親だったら……と思って診察している.「○○さん,こんにちは」というと,意外に目をぱっと開けてくれたりして嬉しく感じる.最近は自分自身が歳を重ね,当然親も高齢となってきたため,寝たきりになる可能性も現実味を帯びてきており,このような患者さんを診るときに自分の親だったらと思うと,何とも複雑な気持ちになることがある.
他の病院では褥瘡ラウンドを行っているが,寝たきりで意思疎通のできない患者さんも多い.患部だけの診察になりがちであるが,このときもこの患者さんが自分の親だったら……と思って診察している.「○○さん,こんにちは」というと,意外に目をぱっと開けてくれたりして嬉しく感じる.最近は自分自身が歳を重ね,当然親も高齢となってきたため,寝たきりになる可能性も現実味を帯びてきており,このような患者さんを診るときに自分の親だったらと思うと,何とも複雑な気持ちになることがある.
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