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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019 5.皮膚科医のための臨床トピックス
ヒト精漿に対するアレルギー
著者: 足立厚子1 大塚晴彦1 山野希1 濵岡大1 井上友介1 一角直行2
所属機関: 1兵庫県立加古川医療センター皮膚科 2いっかく皮膚科
ページ範囲:P.170 - P.172
文献購入ページに移動第二子出産後,初めての夫との性交渉後に顔面浮腫,呼吸苦などのアレルギー症状を起こした29歳女性を経験した.夫が採取した精液を遠心分離して得た精漿希釈液を用いたプリックテストが陽性を示し,ヒト精漿アレルギーと診断した.血清特異的IgEでは,ヒト精漿とともに,イヌ上皮にも陽性を示し,イヌアレルゲンコンポーネントでは,r Can f 5(アルギニンキナーゼ,prostatic kallikrein)が高値で,r Can f 1,r Can f 2,r Can f 3は陰性であった.牡イヌ上皮中のCan f 5に感作された場合,その交差反応により,ヒト精漿アレルギーが発症するとの報告がある.自験例は第二子出産前後に里帰りした実家で飼育されていた牡イヌに接触して,イヌ上皮中のCan f 5に感作され,出産前までは無症状であったが,出産後初めての夫との性交渉時にヒト精漿アレルギーを起こしたと考えた.性交渉時のコンドーム使用にて症状の再発はない.
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