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増刊号特集 最近のトピックス2019 Clinical Dermatology 2019 5.皮膚科医のための臨床トピックス
帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ(1997-2018)」アップデート—水痘ワクチン定期接種化の影響について
著者: 外山望1 白木公康2 宮崎県皮膚科医会3
所属機関: 1外山皮膚科 2千里金蘭大学 3宮崎県皮膚科医会
ページ範囲:P.186 - P.189
文献購入ページに移動「宮崎スタディ」は,現在も進行中の世界で最大規模の帯状疱疹の疫学調査である.「宮崎スタディ(1997-2006)」では,帯状疱疹は女性に多く,男女ともに50歳以上で急増し,また,水痘と帯状疱疹は鏡像関係にあり,その結果,帯状疱疹は冬に少なく夏に多いという季節性があること,年齢別構成で二峰性となっていることなどを明らかにした.しかし,水痘ワクチン定期接種化後,帯状疱疹の疫学にも変化が起きている.2014年10月からの水痘ワクチン定期接種開始以降,水痘は年間を通して減少し,季節性が消失したことが報告されている.今回の「宮崎スタディ(1997-2018)」では,水痘減少の影響で,帯状疱疹は夏に多く冬に少なくなるという季節性もあまりみられなくなった.このことは,水痘ワクチン定期接種の影響が年間を通じての帯状疱疹の増加に関連していると考えられた.また,水痘ワクチン定期接種の影響を受けたのは,高齢者層よりも若年層のほうがより大きいと推察され年齢別構成の二峰性の消失が起きている.
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