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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻6号

2019年05月発行

文献概要

症例報告

オールインワン化粧品による接触皮膚炎の1例

著者: 岩橋ゆりこ1 笠ゆりな1 濱田裕子1 殿岡永里加1 宇野裕和1 中田土起丈1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院皮膚科

ページ範囲:P.387 - P.390

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要約 43歳,女性.1か月前に肌ラボ®極潤美白パーフェクトゲルの使用を開始したところ,2週間後より両側眼囲に瘙痒感を伴う皮疹が出現した.近医でステロイド外用薬を処方され症状は一時軽快したが,再び増悪し顔面全体に拡大した.Kaposi水痘様発疹症を疑われバラシクロビル塩酸塩内服を追加されたが軽快しなかったため,当科を紹介された.現症として両眼囲から頰部にかけて浮腫性紅斑を認め,前額部には紅色丘疹が散在性に多発していた.接触皮膚炎を考え,化粧品をすべて中止し,外用薬を変更したところ皮疹は軽快した.パッチテスト:ジャパニーズスタンダードアレルゲン2015,歯科金属シリーズはすべて陰性,極潤美白パーフェクトゲルに強陽性.成分パッチテストを行い,アルブチンを原因物質と同定した.オールインワン化粧品にはさまざまな成分が含有されており,接触皮膚炎を生じた場合には成分パッチテストによる原因物質の同定が不可欠である.

参考文献

1) 日本化粧品工業連合会:https://www.jcia.org/user/statistics/shipment
2) 関東裕美,他:皮膚臨床 41:1919, 1999
3) Sugawara K, et al:Environ Dermatol 9:146, 2002
4) 大原香子:皮膚臨床 58:1933, 2016
5) 稲岡峰幸,他:日皮会誌 122:725, 2012
6) 仲宗根尚子,他:臨皮 68:484, 2014
7) Sugimoto K, et al:TIGG 19:235, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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