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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻6号

2019年05月発行

文献概要

症例報告

踵に生じ著明な石灰化を伴った血管平滑筋腫の1例

著者: 川島裕平1 鈴木千尋1 藤尾由美1 木花いづみ1

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科

ページ範囲:P.440 - P.444

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要約 87歳,男性.20年前より左踵に数mm大の結節を自覚していたが,放置していた.数年前より徐々に増大し,歩行時痛を伴うようになり受診した.左踵に長径1.7cm大,境界は比較的明瞭,ドーム状に隆起する弾性硬の結節を認めた.皮膚表面は常色で,一部白色の内容物が透見された.局所麻酔下に単純切除した.病理組織像では真皮浅層から脂肪織にかけて線維性被膜に包まれた境界明瞭な結節性病変を認めた.結節内には大小の石灰化組織を認め,石灰化組織の周囲の一部に小型で円形あるいは裂隙様の血管腔を取り囲むように,紡錘形細胞の増殖を認めた.石灰化を伴った血管平滑筋腫と診断した.術後1年の現在,再発は認めていない.血管平滑筋腫のうち,特に足周囲に発生したものに石灰化を伴うことが多く,石灰化の要因として荷重や摩擦,外傷,血流うっ滞が考えられた.

参考文献

1) 玉置邦彦,他:最新皮膚科学大系,第13巻,中山書店,p114, 2002
2) Hachisuga T, et al:Cancer 54:126, 1984
3) 森本典夫:鹿児島大医誌 24:663, 1973
4) Duhig JT, et al:Arch Pathol 68:424, 1959
5) 神谷秀喜,他:皮膚臨床 34:1803, 1992
6) 玉置邦彦,他:最新皮膚科学大系,第10巻,中山書店,p103, 2003
7) 村上香織,他:臨皮 68:433, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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