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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻7号

2019年06月発行

文献概要

症例報告

HPV16型陽性のQueyrat紅色肥厚症の1例

著者: 仲沙耶香1 福屋泰子1 石黒直子1 堀圭次郎2 片平次郎2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学形成外科

ページ範囲:P.531 - P.535

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要約 77歳,男性.包茎あり.初診の5か月前から外尿道口および周囲に紅色局面が出現した.初診時,外尿道口の4時〜8時の部位に境界明瞭な鮮紅色局面を認めた.生検病理組織像では,表皮全層に異型角化細胞の増殖がみられ,clumping cellや個細胞角化も散見され,Queyrat紅色肥厚症と診断した.治療としては,膀胱尿道鏡にて尿道側の病変を確認後,尿道内の浮腫性変化があった部位から5mm離して摘除し,尿道形成術を施行した.切除標本の病理組織所見では,膀胱尿道鏡検査で病変を確認できなかった部位にも腫瘍細胞を認めたことから,尿道内への病変の波及に留意し,十分な病理組織学的な検討が重要と考えた.また,PCR法により病変部組織からHPV(human papillomavirus,ヒト乳頭腫ウイルス)16型DNAを検出し,HPV感染の関与を考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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