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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻8号

2019年07月発行

文献概要

原著

当院における水疱性類天疱瘡患者139例の検討

著者: 山野希1 大塚晴彦1 今村真也1 井上友介1 濵岡大1 白井成鎬1 足立厚子1

所属機関: 1兵庫県立加古川医療センター皮膚科

ページ範囲:P.569 - P.577

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要約 2009年10月〜2016年4月の6年6か月に当科を初診で受診し,水疱性類天疱瘡と診断された139人について,後ろ向きに症例を検討し解析した.全症例を,外来治療群,入院治療群に分け,入院治療群はさらに治療奏効群,治療抵抗群に分けた.この4群の背景因子,検査値,治療内容,有効性を示した治療法,予後の関連性について検討した.その結果,末梢血好酸球数の治療開始約1週間後の比較において,治療奏効群では全例でほぼ0に近い値への正常化を認めたが,治療抵抗群では1週間後の値は軽快せず,病勢コントロールに至るまでの間,治療前と変化なしあるいは増加していた.抗BP180抗体価は,末梢血好酸球数のような病初期の特徴は認めなかったが,入院加療群ではより高値の症例が多かった.このことより,治療抵抗性の有無を早期に判断するには1週間後の末梢血好酸球数の推移が指標となるが,中長期的予後予測には抗BP180抗体価の値も有用と考えた.

参考文献

1) 笹井 収,他:日皮会誌 126:1923, 2016
2) Milani-Nejad N, et al:Eur J Dermatol 27:472, 2017
3) Pasmatzi E, et al:Diabetes Care 34:e133, 2011
4) Mendonça FM, et al:Dermatology 232:249, 2016
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8) Feng S, et al:Int J Dermatol 47:225, 2008
9) Miida H, et al:Clin Exp Dermatol 36:485:2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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