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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科73巻9号

2019年08月発行

マイオピニオン

ハンセン病の現状

著者: 石井則久1

所属機関: 1国立療養所多磨全生園

ページ範囲:P.660 - P.661

文献概要

 1. はじめに
 Hansen(ハンセン)病が皮膚科の世界で話題になることはほとんどなくなった.患者がいないことが大きいが,研究でも大きな進展がなく,興味や関心の外になってしまった.
 しかし,ハンセン病を識ることで,皮膚科医の存在理由である「正常皮膚と異なる変形,変色,変化を治す」という意味を深慮すべきである.目に見える変形,変色,変化などの皮膚病変は人々から忌み嫌われ,時に偏見・差別も生み,人権問題まで起こすのである(図).皮膚病変を改善・軽快・治癒,そして正常の状態を保つことが皮膚科医に求められている.
 変形・変色などの皮膚病変に対する偏見・差別は日本のみでなく世界に,それも太古からの共通した問題であり,その中でハンセン病は第一に挙がるものである.病気に対する国際的な援助,救済,そして国際協力に立ち上がったのもハンセン病が最初であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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