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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻1号

2020年01月発行

文献概要

症例報告

若年女性の外陰部に播種状に多発したverruciform xanthomaの1例

著者: 中島玲華1 延山嘉眞1 神部正弘1 間中結香1 山口貴子1 小林光1 福地修1 朝比奈昭彦1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学病院皮膚科学講座

ページ範囲:P.87 - P.90

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要約 19歳,女性.初診3年前に自覚した陰部の結節が徐々に増数かつ増大してきたため当院を受診した.初診時,両側大陰唇および陰核部に自覚症状のない結節や丘疹が多発,一部癒合していた.特に左大陰唇内側には直径5〜30mm,境界明瞭,有茎性,乳頭腫状,弾性軟の結節を認めた.その他の皮膚症状や骨格異常などはみられなかった.結節の病理組織像では表皮肥厚,乳頭腫症,真皮乳頭層への泡沫細胞の浸潤を認めた.また,丘疹の病理組織像でも真皮乳頭層に泡沫細胞の浸潤を認めた.以上よりverruciform xanthomaと診断した.Verruciform xanthomaは病理組織学的に真皮乳頭部の泡沫細胞浸潤を特徴とする紅色,乳頭腫状の良性腫瘍であり多くは口腔粘膜に発症するが,外陰部にも発生する例がしばしば報告されている.通常外陰部発生例は単発発生することが多く,自験例のように多発発生の報告は非常に希少である.治療法としては外科的切除が一般的であり,自験例でも外科的切除を行った.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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