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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻10号

2020年09月発行

文献概要

症例報告

腋窩部転移により発見された原発不明のmalignant melanoma with a rhabdoid phenotypeの1例

著者: 外薗寿典1 雑賀厚臣1 三川信之2 檜垣浩一3

所属機関: 1聖マリア病院形成外科 2千葉大学大学院医学研究院形成外科学講座 3聖マリア病院病理診断科

ページ範囲:P.803 - P.808

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要約 78歳,男性.2か月ほど前に右腋窩部の皮下腫瘤を自覚し,以降同部位が急速に隆起し増大してきた.生検の結果,指状嵌入樹状細胞肉腫,転移性腫瘍などが疑われた.約1か月で腫瘍は急速に増大し全摘出となった.病理組織学的所見は,大型で明瞭な核小体を有する細胞で,核が偏在し大型円形ないし類円形など多彩な形態を示す異型細胞であり,細胞質は好酸性の封入体を有していた.免疫組織化学的所見では,ビメンチン,S100蛋白,CD56,MiTFが陽性で,一部の細胞にMelan A・HMB45が陽性であり,サイトケラチンとEMAは陰性であった.以上よりmalignant melanoma with a rhabdoid phenotype(MMRP)と診断した.また術前MRIにて腋窩リンパ節の腫大と診断され,CT,PET-CTを施行したが腋窩以外の腫瘍は認めず原発不明のmelanoma of unknown primary site(MUP)と判断した.MUPであったため当初の生検ではMMRPを想定できず,当初腋窩皮下原発の悪性腫瘍との判断となった.MMRPは進行が早く予後が悪いため,早期診断・治療のために病理標本からの免疫組織学的な検索を積極的に行う必要があると思われた.

参考文献

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8) Anbari KK, et al:Cancer 79:1816, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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