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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻10号

2020年09月発行

文献概要

治療

頭部・前額部多汗症におけるA型ボツリヌス毒素局注療法の有効性について

著者: 安藤与里子1 大嶋雄一郎1 渡辺瞳1 石黒暁寛1 柳下武士1 渡辺大輔1 玉田康彦2

所属機関: 1愛知医科大学皮膚科 2玉田皮膚科

ページ範囲:P.825 - P.831

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要約 頭部・前額部多汗症の3例〔27歳男性,41歳男性,48歳女性,A型ボツリヌス毒素(BT-A)投与前Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)平均:3.7,Dermatology Life Quality Index(DLQI)平均:9.3〕について,BT-A局注療法の有効性,効果持続期間,治療満足度,痛みの評価,副作用の有無などにつき検討した.頭部・前額部の多汗部位に1〜1.5cm間隔で,1か所2単位ずつ,計50か所,計100単位のBT-Aを局注.発汗量は換気カプセル法で測定し,全例でBT-A局注の2週後より著明な発汗抑制効果がみられ,少なくとも30週以上の効果が持続した.また,HDSSとDLQIも,全例で発汗量と同様に推移し,投与2週後より著明に低下,発汗量が抑制されている間は低値を維持した.患者の治療満足度も高く,少なくとも50%以上の改善が得られた.明らかな副作用もなかった.頭部・前額部多汗症において,BT-A局注療法は安全性,有効性ともに高い治療であることが示された.

参考文献

1) 玉田康彦,他:多汗症のボツリヌス治療:診断と治療社,p69, 2015
2) 大嶋雄一郎,他:西日皮膚 76:248, 2014
3) 藤本智子,他:日皮会誌 125:1379, 2015
4) Anders D, et al:Eur J Dermatol 18:87, 2008
5) Kinkelin I, et al:Br J Dermatol 143:824, 2000
6) George SM, et al:Br J Dermatol 170:211, 2014
7) 中尾直樹,他:臨神経 47:67, 2007
8) 矢追正幸,他:日女性医会誌 19(Suppl):132, 2011
9) Böger A, et al:J Neurol 247:857, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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