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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

症例報告

非イオン性ヨード造影剤の血管外漏出に対して切開ドレナージを施行した2例

著者: 勝見達也12 森修一13 高塚純子1 竹之内辰也1

所属機関: 1新潟県立がんセンター新潟病院皮膚科 2新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 3富山大学大学院医学薬学研究部皮膚科学

ページ範囲:P.859 - P.863

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要約 症例1:76歳,女性.右肺癌の精査目的に造影CTを施行した.検査終了後,左手背から前腕にかけての皮下の腫脹を認めた.症例2:71歳,男性.食道癌の術後定期検査に造影CTを施行した.検査終了後に左前腕皮下の腫脹を認めた.いずれの症例もCT造影剤の血管外漏出と診断し,コンパートメント症候群の予防目的に切開およびドレーン留置を行った.造影剤漏出による合併症はなく,速やかに軽快した.多量の造影剤の血管外漏出時にはコンパートメント症候群をきたす可能性があり,対応を誤ると重篤な組織障害に至る.小切開とドレーン留置は外来ですぐに行える低侵襲の処置であり,多量の造影剤の血管外漏出,コンパートメント症候群を疑う所見がみられた場合,ドレナージの必要性を考慮すべきと思われた.

参考文献

1) Wang CL, et al:Radiology 243:80, 2007
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4) Pond GD, et al:AJR Am J Roentgenol 158:915, 1992
5) 吉見公佑,他:皮膚臨床 59:607, 2017
6) 池上隆太,他:皮膚臨床 52:1859, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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