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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻11号

2020年10月発行

文献概要

症例報告

Circumscribed palmar hypokeratosisの超高齢女性例

著者: 内野祥子1 早川順1 山﨑好美1 大山学1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.882 - P.886

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要約 91歳,女性.右拇指球部の皮疹を主訴に受診.初診時14×21mm大の辺縁に鱗屑を付す境界明瞭で軽度陥凹した楕円形の淡紅色皮膚陥凹病変を認めた.病理組織学的に健常部から病変部に移行するにつれ角層が階段状に菲薄化するとともに顆粒層も減少し,病変部中央側では不全角化を認めた.Circumscribed palmar hypokeratosisと診断した.活性型ビタミンD3製剤を密封外用したところ,半年後に辺縁の隆起は若干改善した.自験例は本邦報告例中最高齢であった.病理組織所見として不全角化を示した点が特徴であり,病変部でのサイトケラチン(CK)10の発現減弱と,CK16の発現増強がみられた.自験例では,加齢に伴う皮膚菲薄化により外的刺激などの影響を強く受け特徴的なケラチンの発現様式を呈した可能性があると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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