icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻12号

2020年11月発行

文献概要

症例報告

吉草酸酢酸プレドニゾロンによる接触皮膚炎の1例

著者: 新谷友香1 益田浩司2 村西浩二1 加藤則人2

所属機関: 1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)神戸中央病院皮膚科 2京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.947 - P.952

文献購入ページに移動
要約 33歳,女性.四肢の虫刺症に対して液体ムヒアルファ®EX(吉草酸酢酸プレドニゾロン0.15%含有)を外用したところ,紅斑・丘疹の拡大を認めた.液体ムヒアルファ®EXのパッチテストは陽性であった.また,吉草酸酢酸プレドニゾロン(リドメックス®軟膏),酪酸ヒドロコルチゾン(ロコイド®軟膏),ジフルプレドナート(マイザー®軟膏)にも陽性反応を認めた.液体ムヒアルファ®EXに含有される吉草酸酢酸プレドニゾロンによる接触皮膚炎と診断した.陽性を示したステロイド3剤がグループD2に属したことから,グループD2に分類される成分を含む外用薬の使用を禁止するように指導した.ステロイドは多数の市販薬にも配合されているため,ステロイドの接触皮膚炎の既往を持つ患者には,交差反応を起こす外用薬を避けることに加えて,市販薬を購入する場合には薬局の薬剤師に成分を確認してもらう,あるいは市販薬を可能な限り避けるように指導すべきだと考える.

参考文献

1) Isaksson M, Bruze M:Dermatitis 16:3, 2005
2) Baeck M, et al:Contact Dermatitis 61:163, 2009
3) Burckhardt W:Hautarzt 10:42, 1959
4) 姉小路公久,石川陽吉:皮膚臨床 11:930, 1969
5) Coopman S, et al:Br J Dermatol 121:27, 1989
6) Matura M, et al:Allergy 55:698, 2000
7) Baeck M, et al:Allergy 64:978, 2009
8) 加賀美緒,他:J Environ Dermatol Cutan Allergol 2:33, 2008
9) 那須めい,他:皮膚臨床 55:796, 2013
10) 安池理紗,他:J Environ Dermatol Cutan Allergol 10:112, 2016
11) Baeck M, et al:Contact Dermatitis 64:305, 2011
12) 仁井谷暁子,藤本 亘:西日皮膚 71:474, 2009
13) 足立厚子,他:皮膚臨床 53:1911, 2011
14) 大原直樹,秀 道広:皮膚臨床 57:1979, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?