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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻12号

2020年11月発行

文献概要

症例報告

ダーモスコピー所見で皮丘平行パターンを示した足底の色素性疣贅の1例

著者: 土屋海士郎1 福屋泰子1 石黒直子1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1009 - P.1013

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要約 32歳,男性.初診の1年前に左足底に半米粒大の褐色斑が出現し,その後徐々に拡大した.初診時,左足底に10×6mmの黒褐色調で一部に角化を伴う小結節があり,その12時方向および3時方向に径2mmの淡褐色斑を認めた.ダーモスコピー所見では,小結節部は全体的に褐色調で,辺縁部では色調に濃淡があり皮丘平行パターンを示した.小結節の病理組織像では,過角化と表皮肥厚があり,肥厚した角層内には多数の空胞様構造が見られた.顆粒層には細胞質内封入体を有する細胞が散見された.HPV染色では封入体を有する細胞の核に陽性であり,色素性疣贅と診断した.色素性疣贅のようなメラノサイト病変以外の疾患でも皮丘平行パターンを示すことがあることを念頭に置くべきと考える.

参考文献

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2) Tanioka M, et al:Eur J Dermatol 19:643, 2009
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8) 江川清文:皮膚病診療 26:286, 2004
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10) Egawa K:Dermatology 207:251, 2003
11) Tanioka M:J Dermatol 38:41, 2011
12) 田宮久詩,他:皮膚病診療 33:245, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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