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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻2号

2020年02月発行

文献概要

症例報告

HLA-DR4陽性であった巨細胞性動脈炎の1例

著者: 岡部杏慈1 東直行1 齋藤恒徳2 草間芳樹2 佐伯秀久3

所属機関: 1日本医科大学多摩永山病院皮膚科 2日本医科大学多摩永山病院循環器内科 3日本医科大学付属病院皮膚科

ページ範囲:P.127 - P.131

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要約 75歳,男性.初診の3か月前から両肩・股関節周囲の疼痛があり,歩行困難をきたしリウマチ性多発筋痛症を疑われ当院内科で精査中であった.左側頭動脈の怒張と索状硬結を認めたため当科にて生検を施行した.筋性血管のほぼ全層に多核巨細胞を含む炎症細胞浸潤がみられ,内腔に血栓を認めたため巨細胞性動脈炎の合併と診断した.血清対応型タイピングではHLA-DR4が陽性であった.全身症状として発熱,体重減少があり,貧血がみられた.本邦では稀な巨細胞性動脈炎であるが欧米では頻度が高くHLA-DR4陽性の地域差が関連している.HLA-DR4の保有の有無,入院時のHb値,随伴する全身症状は巨細胞性動脈炎の眼虚血性合併症の予測因子や予後に関連すると報告されており,ステロイドへの治療反応性も関連する可能性があるため精査は重要である.

参考文献

1) 保田晋助,堀田哲也.日内会誌 104:2157, 2015
2) Bird HA, et al:Ann Rheum Dis 38:434, 1979
3) 血管炎症候群の診療ガイドライン
4) 小林茂人,木田一成:リウマチ科 50:415, 2013
5) Richardoson JE, et al:Arthritis Rheum 30:1293, 1987
6) González-Gay MA, et al:Medicine(Baltimore) 79:283, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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