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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻2号

2020年02月発行

文献概要

症例報告

広範囲の血疱を呈した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例

著者: 有馬亜衣1 宮下和也1 西川美都子1 小川浩平1 小豆澤宏明1 浅田秀夫1 伊東杏理2 大黒奈津子2 米今諒3 矢田憲孝3 巽恵美子3

所属機関: 1奈良県立医科大学医学部皮膚科学講座 2奈良県総合医療センター皮膚科 3奈良県立医科大学医学部総合医療学講座

ページ範囲:P.141 - P.145

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要約 45歳,男性.気管支喘息,好酸球性副鼻腔炎,慢性中耳炎の既往あり.初診の2日前から両下腿に紫斑,血疱が多発し,発熱,著明な好酸球数上昇(26,000/μl)を認め当院へ紹介となった.主要臨床所見3項目と臨床経過の特徴を満たし,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症と診断した.また,皮膚生検にて真皮から皮下にかけてびまん性に好酸球,リンパ球,好中球の浸潤を認めた.入院後,ステロイドパルスを3日間施行し翌日からプレドニゾロン1mg/kg/日を開始した.入院15日目頃から好酸球数,CRP再上昇がありシクロホスファミドパルス療法を行い軽快,ステロイドの漸減を行い以降再発は認めていない.本邦で広範囲の血疱を伴った好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の報告は1999年以降3例と少なく貴重な症例を経験した.本症例のように難治の場合はシクロホスファミドパルス治療の併用も選択肢の1つとして考慮するべきであると考えた.

参考文献

1) 釣木澤尚実,押方智也子:医療 72:393, 2018
2) 岩渕千雅子,他:臨皮 67:617, 2013
3) 天方將人,他:皮膚臨床 60:501, 2018
4) 小西文晴,他:臨床リウマチ 22:229, 2010
5) 中島武之,他:皮膚 41:666, 1999
6) 中尾将治,他:皮膚臨床 59:569, 2017
7) ANCA関連血管炎診療ガイドライン2014年

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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