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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻3号

2020年03月発行

症例報告

腹部の皮膚生検にて確定診断した神経核内封入体病の2例

著者: 石飛朋子1 三原祐子1 辻野佳雄1 稲垣諭史2 青山淳夫2 大沼秀行3

所属機関: 1島根県立中央病院皮膚科 2島根県立中央病院神経内科 3島根県立中央病院病理組織診断科

ページ範囲:P.227 - P.231

文献概要

要約 症例1:61歳,女性.歩行障害およびふらつきを主訴に神経内科を受診した.症例2:68歳,女性.認知症,歩行障害を主訴に神経内科を受診した.いずれの症例も特徴的なMRI所見から神経核内封入体病を疑われ,皮膚生検目的に当科に紹介された.腹部より皮膚生検を行い,神経核内封入体病と診断した.神経核内封入体病は,病理組織像にてエオジン好性の核内封入体を認める進行性の神経変性疾患で,2011年にSoneらが皮膚生検が診断に有用であることを報告して以来,生前に診断される症例が増加しつつある.Soneらは,下腿外側上方10cmの部位での生検を推奨しているが,自験例では腹部より皮膚生検を施行し,確定診断に至った.腹部は皮下脂肪組織や汗腺組織が豊富で,非露出部で整容面で優れているため,神経核内封入体病の皮膚生検部位として適していると考える.

参考文献

1) 曽根 淳,祖父江元:神経内科 85:585, 2016
2) 間野達雄,岩田 淳:神経内科 85:624, 2016
3) 藤ヶ崎純子:Brain Nerve 67:199, 2015
4) Sone J, et al:Neurology 76:1372, 2011
5) Ito A, et al:J Dermatol 45:e67, 2018
6) 中村元信:Derma 220:9, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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