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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻3号

2020年03月発行

文献概要

症例報告

播種性淋菌感染症の1例

著者: 牧田澄子1 柴田章貴1

所属機関: 1岐阜県立多治見病院皮膚科

ページ範囲:P.265 - P.268

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要約 42歳,男性.受診5日前より熱発,2日前より右足関節の腫脹により歩行困難となり受診.四肢を中心に全身の点状紫斑や紅色丘疹,紫斑を伴う小膿疱を認め,成人水痘,右足蜂窩織炎の合併と考え入院,アシクロビル,セファゾリン投与を開始により速やかに解熱した.入院4日目に血液培養よりNeisseria gonorrheaが検出され,受診10日前の不特定の女性との性的関係も確認され播種性淋菌感染症と診断し,セフトリアキソンに変更し治療を継続した.経過中尿道炎症状は出現しなかった.HIV感染症,梅毒の合併はなかった.熱発に加えて膿疱が主体で主に四肢に皮疹が多発,非対称的な関節痛を有する場合には,尿道炎症状がない場合でも播種性淋菌感染症が鑑別に挙がり,血液培養および性行為歴など詳細な問診が重要であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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