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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻4号

2020年04月発行

文献概要

症例報告

痒疹様皮疹を呈したIgG4関連皮膚疾患の1例

著者: 永谷圭1 川口雅一1 齊藤亨1 牧野直彦2 安藤嘉章2 柿崎泰明2 菅原心平2 池田千咲2 大江倫太郎3 鈴木民夫1

所属機関: 1山形大学医学部附属病院皮膚科学講座 2山形大学医学部附属病院内科学第二講座 3山形大学医学部附属病院病理学講座

ページ範囲:P.295 - P.300

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要約 64歳,男性.3年前から全身に強い瘙痒を伴う皮疹が出現したため,近医を受診し治療を受けたが,難治だった.内科で膵酵素上昇と膵臓の腫瘤を指摘され,精査の結果IgG4関連疾患が疑われた.皮疹について当科に紹介された際には両眼瞼が腫脹しており全身に痒疹様丘疹が多発していた.生検で真皮内に多数のIgG4陽性形質細胞の浸潤を認め,IgG4関連疾患包括診断基準に照らし合わせ,IgG4関連疾患に伴う皮疹と診断した.プレドニゾロン内服にて皮疹と膵臓の腫瘤は速やかに消退し,ステロイドを緩徐に減量しているが,再燃は認めていない.IgG4関連疾患として痒疹様の皮疹がみられた症例がいくつか報告されている.IgG4関連疾患の初発症状として難治な痒疹様の皮疹を認める場合がある.痒疹を診察した場合に皮膚生検や全身検索を行いIgG4関連疾患を鑑別することは有用であり,早期に確定診断に至る一助となりうる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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