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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 1.最近話題の皮膚疾患
Dermatoporosis(皮膚粗鬆症)
著者: 中村美沙1 古江増隆2
所属機関: 1原土井病院皮膚科 2九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
ページ範囲:P.10 - P.15
文献購入ページに移動Dermatoporosisは加齢や紫外線曝露およびステロイド,抗凝固薬の長期使用が原因となり発症し,四肢に紫斑,潰瘍や血腫の形成,創傷治癒遅延を引き起こす状態を表すもので,「Osteoporosis(骨粗鬆症)」を参考に2007年にKaya and Sauratらが提唱した疾患概念である.皮膚萎縮,表皮剝離などの皮膚の変化は老化現象(生理現象)として捉えられてきたが,皮膚機能不全,脆弱症として対策をすべきという考えに基づいている.Deep dissecting hematoma(深在性解離性血腫)は本疾患の最重症型で,微小な外力により血腫を形成し,進行すると広範な組織壊死をきたすため,早急な診断と血腫除去が必要となる.高齢者では本疾患の有病率は約30%といわれており,高齢化の進行に伴い今後さらに増加すると考えられる.皮膚科医としてもこのような概念を念頭に置き診療にあたることが重要と思われる.
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