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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 2.皮膚疾患の病態
水疱性類天疱瘡のかゆみ
著者: 端本宇志123
所属機関: 1マイアミ大学医学部皮膚科・皮膚外科マイアミ痒みセンター 2東京医科歯科大学大学院皮膚科学講座 3防衛医科大学校皮膚科
ページ範囲:P.59 - P.64
文献購入ページに移動高齢者に多く発症する水疱性類天疱瘡は強いかゆみを伴う.かゆみの制御は水疱性類天疱瘡の治療の目的の1つであるが,水疱性類天疱瘡におけるかゆみの病態は未解明であり,治療に難渋する.水疱性類天疱瘡の皮膚組織を用いて病理組織学的にかゆみメディエータの発現を検討したところ,かゆみの程度は病変部の浸潤好酸球数,好塩基球数,substance P,neurokinin 1R,IL-31RA,OSMR,IL-13,ペリオスチンの発現と有意に相関し,IL-31発現とも関連していた.興味深いことに,IL-31陽性細胞ならびにneurokinin 1R陽性細胞の大多数は好酸球であった.また,IL-13やペリオスチン,好塩基球は,好酸球を活性化することが知られている.好酸球を中心に,これら多因子のかゆみメディエータが水疱性類天疱瘡のかゆみに関与しており,治療の有用なターゲットとなる可能性がある.
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