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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 3.新しい検査法と診断法
典型的ダーモスコピーパターンを示さない掌蹠メラノサイト病変の診断の手がかりと臨床的取り扱い
著者: 皆川茜1 奥山隆平1
所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.87 - P.91
文献購入ページに移動掌蹠において,色素細胞母斑の典型的なダーモスコピー所見は皮溝平行・格子様・細線維状パターンであり,悪性黒色腫(以下,メラノーマ)は皮丘平行パターンである.ダーモスコピー所見の違いにより,7割程度の病変はダーモスコピー検査のみで良悪性が判断可能である.典型的なダーモスコピーパターンを示さない病変において,メラノーマを疑う手がかりになるダーモスコピー所見は,不規則に分布する青白色ヴェールや色素小点・小球,血管所見,過角化や潰瘍,である.皮丘平行パターンは検出されないが,これらの所見を伴う病変ではメラノーマの可能性が高いので注意する.また,肢端黒子型メラノーマは高齢者と足底荷重部に好発する.典型的なダーモスコピーパターンを示さないもののうち,これらの臨床条件を満たす症例では,メラノーマの可能性をより慎重に検討する.
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