文献詳細
文献概要
増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 3.新しい検査法と診断法
進行期悪性黒色腫の抗PD1抗体治療効果予測システムの開発
著者: 藤村卓1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
ページ範囲:P.93 - P.96
文献購入ページに移動summary
免疫チェックポイント阻害薬である抗PD1抗体は,根治切除不能悪性黒色腫の治療に幅広く使用されている.抗PD1抗体は,従来の治療薬と比べ一定の奏効率は得ることができるものの,本邦における製造販売後調査では奏効率が22.2%と臨床試験のデータと比較して低いため,治療効果増強のための併用薬が必要となるが,現在使用可能なニボルマブ+イピリムマブ併用療法は重度の副作用の発症を伴うため,単剤での治療効果を予測するバイオマーカーの開発が重要である.それゆえわれわれは,腫瘍随伴性マクロファージ(TAMs)が,抗PD1抗体により活性化した時に産生するsCD163と関連ケモカインを患者血清中で測定することにより,根治切除不能悪性黒色腫に対する抗PD1抗体の効果を予測するシステムを開発するに至った.
免疫チェックポイント阻害薬である抗PD1抗体は,根治切除不能悪性黒色腫の治療に幅広く使用されている.抗PD1抗体は,従来の治療薬と比べ一定の奏効率は得ることができるものの,本邦における製造販売後調査では奏効率が22.2%と臨床試験のデータと比較して低いため,治療効果増強のための併用薬が必要となるが,現在使用可能なニボルマブ+イピリムマブ併用療法は重度の副作用の発症を伴うため,単剤での治療効果を予測するバイオマーカーの開発が重要である.それゆえわれわれは,腫瘍随伴性マクロファージ(TAMs)が,抗PD1抗体により活性化した時に産生するsCD163と関連ケモカインを患者血清中で測定することにより,根治切除不能悪性黒色腫に対する抗PD1抗体の効果を予測するシステムを開発するに至った.
参考文献
1) Tsutsumida A, et al:J Dermatol 46:947, 2019
2) Wolchok JD, et al:N Engl J Med 377:1345, 2017
3) Weber JS, et al:Lancet Oncol 17:943, 2016
4) Nakamura Y, et al:J Dermatol 47:89, 2020
5) Fujisawa Y, et al:J Dermatol Sci 89:60, 2018
6) Kambayashi Y, et al:Front Med 6:174, 2019
7) Long GV, et al:Ann Oncol 28:1631, 2017
8) Fujisawa Y, et al:Br J Dermatol 179:213, 2018
9) Diem S, et al:Br J Cancer 114:256, 2016
10) Le DT, et al:Science 357:409, 2017
11) Le DT, et al:N Engl J Med 372:2509, 2015
12) Dudley JC, et al:Clin Cancer Res 22:813, 2016
13) Fujimura T, et al:J Dermatol Sci 83:167, 2016
14) Gordon SR, et al:Nature 545:495, 2017
15) Van Gorp H, et al:Mol Immunol 47:1650, 2010
16) Fujimura T, et al:Front Oncol 8:530, 2018
17) Fujimura T, et al:Front Oncol 8:3, 2018
18) Furudate S, et al:Exp Dermatol 25:107, 2016
19) Fujimura T, et al:Front Med 6:86, 2019
20) Fujimura T, et al:Br J Dermatol 2019, in press
掲載誌情報