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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻5号

2020年04月発行

文献概要

増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 4.皮膚疾患治療のポイント

薬剤性過敏症症候群の治療と予後

著者: 水川良子1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.98 - P.102

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summary
薬剤性過敏症症候群は,何も治療を要さない軽症例から,致死的な合併症を発症する難治例まで極めて幅広い病態を呈し,初期の対応の間違えが,致命的な結果をもたらす.少数の経験例を元にさまざまな治療法が提唱されているが,多数例の後ろ向き解析から治療の予後について論じた研究はない.われわれは10年間にわたり,初期の段階から軽快後も1年以上経過を観察できた55症例を詳細に検討し,通常外来で得られる臨床情報をもとに臨床スコア(早期,後期)を作成した.その早期スコアに基づき,初期に軽症(1>),中等症(1〜3),重症(4<)に層別化することで,後で生じる合併症や難治例のほとんどは予知できること,しかも合併症のほとんどにはCMVの再活性化が関与しており,抗CMV治療を早期に行うことで救命しうることを明らかにした.急性期に有用と思われたステロイドパルスは,長期予後から見て好ましくないことも明らかになった.

参考文献

1) Shiohara T, et al:Expert Opin Drug Metab Toxicol 13:701, 2017
2) Kano Y, et al:Br J Dermatol 155:301, 2006
3) Shiohara T, Mizukawa Y:Allergol Int 68:301, 2019
4) Kano Y, et al:J Dermatol 42:276, 2015
5) Mizukawa Y, et al:J Am Acad Dermatol 80:670, 2018
6) Asano Y, et al:Arch Dermatol 145:1030, 2009
7) Bourgeois GP, et al:J Am Acad Dermatol 66:e229, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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