文献詳細
文献概要
増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 4.皮膚疾患治療のポイント
皮膚病変を中心としたエリテマトーデスの治療—新ガイドラインの解説を含めて
著者: 長谷川稔1
所属機関: 1福井大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学
ページ範囲:P.120 - P.124
文献購入ページに移動summary
2019年の話題として,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業の自己免疫疾患に関する調査研究班と日本リウマチ学会が合同で,それに日本小児リウマチ学会,日本腎臓学会,日本皮膚科学会,日本臨床免疫学会が協力して,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)診療ガイドラインが作成されたことが挙げられる.注目すべき点として,あらゆる臓器病変に対して,全身療法としてはまず禁忌事項に注意してヒドロキシクロロキン(HCQ)の内服を考慮することが提唱されている.皮膚病変についても,ステロイドやタクロリムスの外用で効果不十分な場合には,全身療法としてHCQの内服を考慮し,それでも難治性の場合は,プレドニゾロンの内服などを検討することになる.このような治療以外にも,CLASIが皮疹の活動性評価に重要かどうか,ループスバンドテストが診断に有用かどうかなどが記載されている.ガイドラインの内容を中心に,エリテマトーデスの皮膚病変の治療に関して解説した.
2019年の話題として,厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業の自己免疫疾患に関する調査研究班と日本リウマチ学会が合同で,それに日本小児リウマチ学会,日本腎臓学会,日本皮膚科学会,日本臨床免疫学会が協力して,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)診療ガイドラインが作成されたことが挙げられる.注目すべき点として,あらゆる臓器病変に対して,全身療法としてはまず禁忌事項に注意してヒドロキシクロロキン(HCQ)の内服を考慮することが提唱されている.皮膚病変についても,ステロイドやタクロリムスの外用で効果不十分な場合には,全身療法としてHCQの内服を考慮し,それでも難治性の場合は,プレドニゾロンの内服などを検討することになる.このような治療以外にも,CLASIが皮疹の活動性評価に重要かどうか,ループスバンドテストが診断に有用かどうかなどが記載されている.ガイドラインの内容を中心に,エリテマトーデスの皮膚病変の治療に関して解説した.
参考文献
1) 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業の自己免疫疾患に関する調査研究班,他:全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019.南山堂,2019
2) Tektonidou MG, et al:Ann Rheum Dis 78:1296, 2019
3) Aringer M, et al:Arthritis Rheumatol 71:1400, 2019
4) Yokogawa N, et al:Arthritis Rheumatol 69:791, 2017
5) Melles RB, et al:JAMA Ophthalmol 32:1453, 2014
6) Manzi S, et al:Ann Rheum Dis 71:1833, 2012
掲載誌情報