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増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 4.皮膚疾患治療のポイント
ミロガバリンによる帯状疱疹関連痛の治療
著者: 渡辺大輔1
所属機関: 1愛知医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.139 - P.144
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帯状疱疹関連痛(zoster-associated pain:ZAP)は主として急性期疼痛にみられる,皮膚および神経の炎症による痛み(侵害受容性疼痛)と,主として帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)でみられる,神経変性による痛み(神経障害性疼痛)から構成されている.神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版では,プレガバリンなどのカルシウムチャネルα2δサブユニットリガンドは第一選択薬のグループに含まれており,特にアロディニア要素の強いPHN患者に対しては,良い適応になる.新規カルシウムチャネルα2δサブユニットリガンドであるミロガバリンは,動物実験でプレガバリンより高い安全係数を持ち,第3相臨床試験でもPHN患者に対して短期,長期試験で有効性を示した.実臨床では少量から漸増すること,傾眠,浮動性めまい,体重増加といった副作用があること,腎機能患者では適切な減量が必要なことに注意が必要である.
帯状疱疹関連痛(zoster-associated pain:ZAP)は主として急性期疼痛にみられる,皮膚および神経の炎症による痛み(侵害受容性疼痛)と,主として帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)でみられる,神経変性による痛み(神経障害性疼痛)から構成されている.神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版では,プレガバリンなどのカルシウムチャネルα2δサブユニットリガンドは第一選択薬のグループに含まれており,特にアロディニア要素の強いPHN患者に対しては,良い適応になる.新規カルシウムチャネルα2δサブユニットリガンドであるミロガバリンは,動物実験でプレガバリンより高い安全係数を持ち,第3相臨床試験でもPHN患者に対して短期,長期試験で有効性を示した.実臨床では少量から漸増すること,傾眠,浮動性めまい,体重増加といった副作用があること,腎機能患者では適切な減量が必要なことに注意が必要である.
参考文献
1) 渡辺大輔:臨皮 65(増刊):114, 2011
2) 日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂版作成ワーキンググループ(編):神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版,真興交易(株)医書出版部,p49,図5,2016
3) 日本ペインクリニック学会ホームページ:神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改訂第2版追補版,2019
4) Domon Y, et al:J Pharmacol Exp Ther 365:573, 2018
5) Kato J, et al:Pain 160:1175, 2019
掲載誌情報