文献詳細
文献概要
増刊号特集 最近のトピックス2020 Clinical Dermatology 2020 5.皮膚科医のための臨床トピックス
小児アトピー性皮膚炎発症におけるフィラグリン機能喪失変異の影響
著者: 森井航1 野口恵美子1
所属機関: 1筑波大学医学医療系遺伝医学
ページ範囲:P.156 - P.157
文献購入ページに移動アトピー性皮膚炎の発症要因の1つとしてフィラグリン遺伝子の機能喪失変異が挙げられる.フィラグリンは皮膚バリア機能を担っており,フィラグリン機能喪失変異による皮膚バリア機能の低下が,アトピー性皮膚炎の発症に寄与していると考えられている.われわれはフィラグリン機能喪失変異によるアトピー性皮膚炎発症への影響は,乳幼児期に特に顕著であることを見出した.フィラグリン機能喪失変異の保有者には特に出生後早期のケアによる予防が効果的であることが示唆される.遺伝子型に基づく個別化医療はメンデル遺伝病やがんにおいて近年注目されているが,今後は多因子疾患にも拡大していくことが期待される.
参考文献
掲載誌情報