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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻7号

2020年06月発行

文献概要

原著

ダーモスコピーによる膠原病の後爪郭毛細血管所見の検討

著者: 竹森千尋1 西井径子1 小猿恒志1 福田尚美1 萩原敬史2 山本哲久1

所属機関: 1宝塚市立病院皮膚科 2宝塚市立病院リウマチ科

ページ範囲:P.483 - P.489

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要約 強皮症をはじめとする膠原病では,病初期より血管内皮障害や血管新生など毛細血管異常があり,この観察に最も適しているのは後爪郭であることが知られている.Cutoloらは強皮症の後爪郭毛細血管所見をnormal,early,active,lateのpatternに分類している.これに準じて今回われわれは当院を受診した強皮症73例,全身性エリテマトーデス18例,Sjögren症候群14例,原発性Raynaud病10例,皮膚筋炎7例,混合性結合組織病5例についてダーモスコピーによる後爪郭毛細血管所見の検討を行った.強皮症ではactive,late patternを示した症例の割合が他の疾患に比べ多く,毛細血管障害が高率にみられた.また,強皮症では爪囲紅斑やRaynaud現象などの皮膚症状がないにもかかわらず毛細血管異常を呈する例があり,ダーモスコピーによる後爪郭毛細血管の観察が早期診断の一助となる可能性があると考えた.

参考文献

1) Cutolo M, et al:J Rheumatol 27:155, 2000
2) 長谷川稔:皮膚臨床 50:1470, 2008
3) Cutolo M, et al:Rheumatology(Oxford) 43:719, 2004
4) Beltran E, et al:Br J Dermatol 156:892, 2007
5) Sontheimer RD, et al:J Rheumatol 31:539, 2004
6) Furtado RNV, et al:Lupus 11:35, 2002
7) Candela M, et al:Recenti Prog Med 89:444, 1998
8) 清水 宏:あたらしい皮膚科学,第3版,中山書店,p186, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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