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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻7号

2020年06月発行

文献概要

症例報告

サイトメガロウイルスの再活性化を繰り返した薬剤性過敏症症候群の1例

著者: 鈴木千尋1 川島裕平1 塩味由紀1 木花いづみ1 秋好由美1

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科

ページ範囲:P.497 - P.503

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要約 65歳,男性.症候性てんかんに対し,レベチラセタム内服中であったが,コントロール不良のため3週間前からカルバマゼピンが追加されたところ,顔面を含む全身の皮疹と発熱,リンパ節腫脹および臓器障害が出現し,薬剤性過敏症症候群と診断した.プレドニゾロン1mg/kg/日の内服を開始したところ,皮疹は速やかに改善した.発症後5週目に皮疹の増悪とサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)抗原の陽転化を認めたが,ステロイド外用のみで軽快した.その後も7週目と13週目に皮疹の再燃とCMV再活性化を繰り返したが,いずれもガンシクロビル投与にて改善した.なお,HHV-6IgGも発症時40倍から8週目に160倍へと上昇し,再活性化を伴っていた.DIHSはステロイド減量中,しばしば皮疹の再燃とともにヘルペスウイルス属の再活性化を認めることがあるが,自験例のようにCMV再活性化を3回繰り返した症例は稀で,自験例における反省を踏まえてその治療法についても考察を加えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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