icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻7号

2020年06月発行

文献概要

症例報告

エフィナコナゾール爪外用液で治癒した小児爪白癬の2例

著者: 加倉井真樹1 原田和俊2 梅本尚可3 出光俊郎3

所属機関: 1加倉井皮膚科クリニック 2東京医科大学皮膚科学分野 3自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科

ページ範囲:P.536 - P.540

文献購入ページに移動
要約 症例1:2歳,男児.左1趾爪基部が白濁粗糙となっていた.爪甲のKOH鏡検で菌糸陽性.真菌培養で白色綿状の菌が分離された.裏面は赤色調でTrichophyton rubrumと同定した.エフィナコナゾール爪外用液を塗布したところ,5週間後に白濁部は爪中央に移動し,7か月後の時点で治癒を確認した.症例2:7歳女児.両第1趾の爪が肥厚,白濁していた.爪甲のKOH鏡検で菌糸陽性.真菌培養で表面白色粉状,裏面は紅褐色の菌が分離され,T. interdigitaleと同定した.エフィナコナゾール爪外用液で治療し,4か月後に治癒した.小児では成人に比較して爪甲が薄く,爪が生え替わる日数が短いため,外用薬の効果が出やすいと考えられた.爪白癬の治療は経口抗真菌薬が標準療法であったが,外用抗真菌薬は安全性が高く,小児の爪白癬に良い適応と考えられる.

参考文献

1) 日本医真菌学会疫学調査委員会:真菌誌 47:103, 2006
2) 加倉井真樹,他:日臨皮医会誌 32:455, 2015
3) 渡辺晋一,他:日皮会誌 119:851, 2009
4) 渡辺晋一,他:日皮会誌:111:2101, 2001
5) 仲  弥,他:日臨皮医会誌 26:27, 2009
6) Gupta AK, et al:Pediatr Dermatol 35:552, 2018
7) 原田敬之:Med Mycol J 52:77, 2011
8) Solís-Arias MP & García-Romero MT:Int J Dermatol 56:123, 2017
9) 原田和俊:日臨皮会医誌 35:628, 2018
10) Watanabe S, et al:J Dermatol 44:753, 2017
11) Iozumi K, et al:J Dermatol 46:641, 2019
12) 東 禹彦:爪—基礎から臨床まで,金原出版,p16, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?