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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻7号

2020年06月発行

文献概要

症例報告

先天性皮膚カンジダ症の1例

著者: 小松成綱1 澤井彩織2 梅影香央里3 土田悦司4 水元俊裕1 橋本喜夫1

所属機関: 1旭川厚生病院皮膚科 2江別市立病院小児科 3旭川医科大学医学部皮膚科学講座 4旭川厚生病院小児科

ページ範囲:P.541 - P.546

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要約 日齢8の女児.母体にカンジダ腟炎の既往があり加療を受けていた.在胎36週5日で母体が前期破水し,その後感染徴候が出現し胎児心拍数モニタリングの異常も認められたことから,在胎37週0日,緊急帝王切開で出生した.低出生体重児で子宮内感染の疑いがあったため,NICUで経過観察されていた.日齢3で皮膚に紅暈を伴う膿疱が出現した.日齢6で全身に拡大し,日齢8に当科を受診した.苛性カリ法で膿疱内に真菌を認め,先天性皮膚カンジダ症と診断し,抗真菌薬外用を行った.先天性皮膚カンジダ症は報告数が少なく稀な疾患といわれているが,予後良好であるがゆえに見逃されている可能性がある.新生児に膿疱をきたす疾患の診断と鑑別には,Tzanck試験やグラム染色,苛性カリ法の実施が有用である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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