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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻7号

2020年06月発行

文献概要

症例報告

限局性結節性皮膚アミロイドーシスの3例—各種抗AL抗体による免疫組織化学染色結果の多様性

著者: 石橋智1 猿田祐輔1 岩切琢磨1 北見由季1 渡辺秀晃1 末木博彦1 山下太郎2

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室 2熊本大学大学院生命科学研究部脳神経内科学分野

ページ範囲:P.547 - P.553

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要約 症例1:61歳,女性.左下腹部に生じた表面に萎縮を伴う淡紫紅色結節.症例2:43歳,男性.前額部左側に生じた黒褐色結節.症例3:59歳,男性.上口唇左上方に生じた紅色結節.3例とも他臓器病変はなく,病理組織学的に真皮全層に塊状のアミロイド沈着がみられた.各種抗AL抗体の免疫組織化学染色では症例1は抗immunoglobulin lambda like polypeptide 5抗体のみに,症例2は抗AL(κ)モノクローナル抗体のみに,症例3は抗AL(κ)ポリクローナル抗体と抗AL(κ)定常領域抗体のみに陽性を示した.症例1を萎縮性結節性皮膚アミロイドーシス,症例2,3を結節性皮膚アミロイドーシスと診断した.AL蛋白の解析にあたっては症例により各種抗体に対する反応性が大きく異なるため,多種類の抗体を用いた解析が必要と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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