文献詳細
症例報告
文献概要
要約 84歳,男性.当院内科入院中に左側胸部に瘙痒感,自発痛のある黄色壊死を伴う不整形紅色局面を認め,皮膚科紹介初診となった.内科にて,胸腔鏡下胸膜生検術創部の術後瘢痕と考えられステロイド外用薬を貼布されていた.皮膚生検にて悪性胸膜中皮腫皮膚転移と診断した.悪性胸膜中皮腫は経皮的操作後に比較的高率に局所播種が起こることがわかっており,局所播種はその疼痛などにより患者のQOLを著しく低下させる.悪性胸膜中皮腫は比較的遠隔転移を起こしづらく,局所浸潤しやすい悪性腫瘍が,経皮的操作後に皮疹を生じた際には積極的に皮膚生検を施行するべきと考える.
参考文献
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