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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科74巻8号

2020年07月発行

症例報告

皮膚転移を生じた悪性胸膜中皮腫の1例

著者: 丸尾亜紀1 鎌田麻子1

所属機関: 1砂川市立病院皮膚科

ページ範囲:P.611 - P.614

文献概要

要約 84歳,男性.当院内科入院中に左側胸部に瘙痒感,自発痛のある黄色壊死を伴う不整形紅色局面を認め,皮膚科紹介初診となった.内科にて,胸腔鏡下胸膜生検術創部の術後瘢痕と考えられステロイド外用薬を貼布されていた.皮膚生検にて悪性胸膜中皮腫皮膚転移と診断した.悪性胸膜中皮腫は経皮的操作後に比較的高率に局所播種が起こることがわかっており,局所播種はその疼痛などにより患者のQOLを著しく低下させる.悪性胸膜中皮腫は比較的遠隔転移を起こしづらく,局所浸潤しやすい悪性腫瘍が,経皮的操作後に皮疹を生じた際には積極的に皮膚生検を施行するべきと考える.

参考文献

1) 日本肺癌学会:肺癌診療ガイドライン2018年度版,第5版,金原出版,p270, 2018
2) Boutin C, et al:Cancer 72:389, 1993
3) 伊藤俊輔,他:肺癌 55:14, 2015
4) Agarwal PP, et al:Radiology 241:589, 2006
5) Metintas M, et al:Lung Cancer 61:255, 2008
6) Di Salvo M, et al:Acta Oncol 47:1094, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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