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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科75巻1号

2021年01月発行

文献概要

症例報告

眉毛部に一致したアイライナーによるアレルギー性接触皮膚炎の1例

著者: 佐武可奈子1 大山綾子1 林綾乃1

所属機関: 1馬場記念病院皮膚科

ページ範囲:P.17 - P.20

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要約 51歳,女性.10年前から国内メーカー①のアイライナーを眼瞼縁に使用,4年前から国内メーカー②のアイライナーで眉毛を描いていた.3年前に眉毛部に一致して瘙痒を伴う紅斑が出現し,眼瞼縁に浮腫性紅斑も認めた.パッチテストでは,アイライナー①・②,フラジオマイシン硫酸塩,香料ミックスが陽性,アイライナー②の成分パッチテストではカルナウバロウとモクロウが陽性であった.香料ミックスに含まれるケイ皮アルコールやケイ皮アルデヒドは皮膚中でケイ皮酸に代謝される.カルナウバロウにもケイ皮酸が含有されており,自験例ではケイ皮酸が原因物質である可能性があると考えた.化粧品の接触皮膚炎が疑われる際には,製品・成分とともにジャパニーズスタンダードアレルゲンのパッチテストが非常に有用である.

参考文献

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10) 足立厚子:皮膚病診療 28(Suppl):61, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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